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Headlin News
交通事故と救命救急医療
ディスカッション

有賀氏は、大橋氏に対して、シートベルトの着用以外にドライバーが行うべきことを尋ねた。

大橋氏は、ドライバーは、よく見ていないことが問題だと指摘した。運転に集中していない。

有賀氏が、大橋氏に対して、オートバイのヘルメットは複数の傷があることがある。何回ぐらい衝突していると考えられるのか、と質問を投げかけた。

大橋氏は、四輪車の乗員は、基本的には、衝突は一回であるが、二輪車や歩行者は2回の衝突をする。一回目は車両と、二回目は道路とである。擦過痕を観察し、見分ける必要があるとした。

関根氏は、交通事故の際、消防への119番通報がなく、110番のみの事例が多いことを紹介し、そうすると、警察内部の情報伝達により、救急車の出動が4分から8分程度遅れることになる。事故の際は、110番と同時に、119番にも通報して欲しいと呼びかけた。

有賀氏が、関根氏に対して、救急隊員が外傷センターに搬送すべき、あるいはドクターヘリの出動を要請する際の判断基準を尋ねた。

関根氏は、患者が呼びかけに反応しない場合や、受け答えが曖昧な場合は、危険だと判断していると答えた。その他、車両の損傷度合いや、事故被害者が跳ね飛ばされた距離などを判断基準としているとした。

三宅氏は、新しい制度では、インターンの期間中、3ヶ月は救命救急を教えることになった。この3ヶ月でガイドラインを教育する必要があると述べた。そして外傷専門医の養成には、症例数を増やす必要があり、外傷センターを設置する必要があるとした。

松本氏は、医学生レベルまで、ガイドラインを教育すべきだとし、やはり外傷センターに患者を集中する必要があるとした。

有賀氏が、事故現場で救急救命士が新たに行うべき処置があれば紹介して欲しい、と関根氏に尋ねた。

関根氏は、現行の制度では、心肺停止患者にしか行えない、点滴、輸液の利用を、外傷患者にも認めて欲しいと訴えた。特に、交通事故は、ドクターヘリが出動できない夕方から夜間に発生することが多く、輸液の使用を救急救命士に認める必要性が高いとした。

会場からの質問では、千葉県内の消防職員が発言を行った。現場に出動してみると、警察官が早く現場に到着しているケースでは、警察官による救命処置が行われていない事例がほとんどであると指摘した。それどころか、固定して搬送する必要がある外傷患者が、現場検証に立ち会わされているケースもあったという。少なくとも、交通課に配属されている警察官には、基本的な外傷に対する教育をする必要があると発言した。

大橋氏は、現状では、警察官に対して、救命処置を教育していないと答えた。

有賀氏は、警察官にも、教育を行う必要があるとの認識を明らかにした。

これに関連して、三宅氏は、警察官から、医師に対して、事故内容を伝えて欲しいと要望した。車型や着座位置がわかると治療がしやすいと述べた。

有賀氏は、警察の事故データと医療データの融合状況はどのようになっているのか、という質問が、大橋氏に対してあった。

大橋氏は、医学は、詳細なデータを整備しているが、交通統計には、死亡、重症、軽症という大まかなデータしかない状況を説明した。

松本氏は、これまでの日本の交通安全は、法規制と車両の改善のみで、医療に対しては、ノータッチであったと指摘し、改善の必要性を訴えた。

有賀氏は、交通事故のような社会問題を学際的に話し合う必要があると、シンポジウムを締めくくった。

 

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