関根氏は、交通事故の際、従来の救急活動は、「Scoop and Run」といい、何もせず、近くの病院に搬送するにとどまっていたことを明らかにし、適切な観察と処置をし、適切な外傷センターに搬送する「Load
and Go」に転換しなければならないと述べた。
防ぎ得た外傷死が、40%もあったのではないか、という調査があるとし、外傷救急医療のレベルアップが必要であると主張した。
そして米国と日本の外傷初療標準化プログラムを紹介した。日本は、救急医療の病院前(プレホスピタル)では、BTLS BasicとPTCJを統合したPTECが、病院内ではJATECが標準プログラムとなっている。
そしてJPTECを、指導的な医師、救急救命士に広め、メディカルコントロール協議会や、消防学会、救急救命士会を通じて普及させる必要があるとした。JPTEC普及活動として、救急救命士は、バックボードへの固定やヘルメットの脱がし方、ネックカラーの使用方法などを訓練している。
救命のためには、「プラチナの10分」と言われる事故後10分、「Golden Hour」の事故後1時間以内に適切な、処置、治療が行われる必要があるので、現場活動は少なく、すぐに外傷センターに搬送することが大切だと主張した。 |