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Headlin News
交通事故と救命救急医療
コーディネーター挨拶

昭和大学医学部 教授 有賀徹氏

シンポジウム開催の目的

有賀氏は、東京モーターショーは、日本の自動車業界最大のイベントであると話を切り出した。このシンポジウムは、自動車を取り巻く問題の一つである交通事故問題を様々な角度から考える。聴衆にとっては、目新しい情報が含まれ、内容もトップレベルのものであると期待される。

その上で、聴衆には、各々の地域社会で、交通安全、救命救急が、どの程度うまくいっているのか、問題意識を持って欲しいと述べた。

報告1

財団法人交通事故総合分析センター(イタルダ) 主任調査員 大橋秀幸氏

自動車の安全性・危険性

大橋氏は、イタルダの紹介から話しを始めた。イタルダは、警察による事故統計のマクロデータと、茨城県つくば市、土浦市周辺の6警察署、1高速道路警察隊の所轄でミクロデータの収集を行い、事故データベースを構築し、分析している。

そして、シートベルト・エアバックの不適切な使用による傷害が問題となっている。シートベルトは、腰ベルトと肩ベルトを正しい位置で装着することが大切で、シートに浅く腰掛けると、衝突時に、身体が沈み込む「サブマリン現象」を起こし、腹部に傷害を負う可能性が高くなると警告した。

次に、シートベルトをしていたがエアバックを装備していない車両と、エアバックを装備していたが、シートベルトをしていなかった車両の事故事例を紹介し、シートベルト装着の必要性を説いた。

報告2

千葉県野田市野田消防本部 救急救命士 関根和弘氏

プレホスピタルケアにおける外傷初療の標準化

関根氏は、交通事故の際、従来の救急活動は、「Scoop and Run」といい、何もせず、近くの病院に搬送するにとどまっていたことを明らかにし、適切な観察と処置をし、適切な外傷センターに搬送する「Load and Go」に転換しなければならないと述べた。

防ぎ得た外傷死が、40%もあったのではないか、という調査があるとし、外傷救急医療のレベルアップが必要であると主張した。

そして米国と日本の外傷初療標準化プログラムを紹介した。日本は、救急医療の病院前(プレホスピタル)では、BTLS BasicとPTCJを統合したPTECが、病院内ではJATECが標準プログラムとなっている。

そしてJPTECを、指導的な医師、救急救命士に広め、メディカルコントロール協議会や、消防学会、救急救命士会を通じて普及させる必要があるとした。JPTEC普及活動として、救急救命士は、バックボードへの固定やヘルメットの脱がし方、ネックカラーの使用方法などを訓練している。

救命のためには、「プラチナの10分」と言われる事故後10分、「Golden Hour」の事故後1時間以内に適切な、処置、治療が行われる必要があるので、現場活動は少なく、すぐに外傷センターに搬送することが大切だと主張した。

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